大津親子訴状書き写し(一部)
令和8年2月17日
東京地方裁判所民事部御中
原告:破産者みんなでつくる党
破産管財人 森 利明
当事者:別紙当事者目録記載のとおり
損害賠償・否認権行使請求事件
訴訟物の価額:金1620万2852円
貼用印紙額:金7万1000円
請求の趣旨
1:被告らは、原告に対し、連帯して、金1081万0396円及びこれに対する令和6年3月14日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え
2:被告大津綾香は、原告に対し、金521万2696円並びに、うち金291万1388円に対する令和6年3月18日から、うち金199万4155円に対する訴状送達の日の翌日から、うち金19万7055円に対する令和6年1月23日から、及び、うち金11万0098円に対する令和6年3月1日から、それぞれ支払い済まで年3パーセントの割合による金員を支払え
3:被告大津宗則は、原告に対し、金17万9760円並びに、うち金16万1640円に対する令和6年1月23日から、及び、うち金1万8120円に対する令和6年3月1日から、それぞれ支払済みまで年3パーセントの割合による金員を支払え
4:訴訟費用は被告らの負担とする
との判決並びに第1項、第2項、及び第3項についての仮執行宣言を求める
請求の原因
目次
第1:事案の概要
第2:当事者等
第3:背景事情1~破産者につき破産手続開始決定がされるまでの経緯
第4:背景事情2~被告綾香が実際に管理していた破産者の資金について
第5:不法行為
①破産手続き開始決定後の預金引き出し(被告綾香)
②被告宗則に対する送金(被告綾香、被告宗則)
③被告宗則のための弁護士費用の支払(被告綾香、被告宗則)
④「現金」の不当な流出・隠匿・毀損等(被告綾香、被告宗則)
⑤事務所の不当な使用継続等(被告綾香)
⑥不法行為まどめ
第6:偏頗行為否認(破産法第162条第1項第1号ロ)
①22頁
②被告綾香に対する偏頗行為
③被告宗則に対する偏頗行為
第7:破産裁判所の許可
第8:結語
第1:事案の概要
本事案は、政党の破産管財人である原告が、同政党の代表者である被告大津綾香、及び、その実父である被告大津宗則に対し、被告らが、政党の資金を不当に流出させ、また、原告に対し政党の財産状況・資金使途等について事実と異なる説明等を行い、あるいは不当に党事務所を使用継続するなどし、もって、政党の財産を隠匿等し、また、被告らが同政党から偏頗弁済を受けたことにつき、否認権を行使して返金を請求するものである
第2当事者等
1:みんなでつくる党(以下「破産者」という。)について
①破産者は、令和元年8月13日に設立され、法人格を付与された政党である
破産者は、元々は、立花孝志(以下「立花」という)を代表者として、「NHKから国民を守る党」という名称で活動していたが、その後、名称を何度か変更し、令和5年11月、「みんなでつくる党」という名称になった。
②令和5年3月、立花の主導により、立花に代わって、被告大津綾香が破産者の代表者に就任し、破産者は、名称を「政治家女子48党」と変更した。
ところが、間もなく(令和5年3月)、被告綾香側と立花側とで、党運営等に関して対立が生じ、代表権めぐる深刻な争いが発生し、同年4月以降、党の運営は大きな混乱をきたした。
③令和6年1月18日、破産者について、債権者により破産手続き開始申立がされた
④令和6年3月14日午後3時、破産者について、東京地方裁判所において破産手続開始決定がなされ、原告が破産管財人に選任された。
2:被告綾香について
被告綾香は、前期のとおり、令和5年3月、立花の主導により、立花に代わって、破産者の代表者に就任した者であり、破産者について破産手続き開始決定がされた時点における破産者の代表者である。
3:被告大津宗則について
被告綾香の実父であり、被告綾香のもとで、破産者の資金の移動に事実上関与していた人物である。
株式会社アップルハウス(不動産業のようである)代表取締役である。
第3背景事情~破産者につき破産手続き開始決定がされるまでの経緯
1:前記のとおり、破産者はもともと、立花を代表者として活動していた政党であった。
~立花の説明~
2:前記のとおり、令和5年3月、立花の主導により、被告綾香が破産者の代表者に就任し、
~代表権をめぐる争いから、100名を超える貸付金債権者が一斉に支払督促をした申立て経緯~
3:令和5年11月、名称をみんなでつくる党に変更した
4:令和5年12月24日、破産者は、被告綾香のもと、貸付金債権者に対し、借入金の利息支払いを停止する旨を通知をし、また、破産者のウェブサイトにおいてもその旨告知した。
5:①令和6年1月18日、債権者による破産手続き開始申立
②本件破産手続開始申立については、同日(令和6年1月18日)破産者も知るところとなった
6:関係者の審尋を経て、令和6年3月14日午後3時、破産者について、東京地方裁判所において破産手続開始決定がなされた(なお書きにて、即時拮抗、特別拮抗及び許可拮抗はいずれも棄却の記載あり)
第4背景事情2~被告綾香が実際に管理していた破産者の資金について
1:破産者には、令和5年4月から同年12月にかけて、政党助成金法に基づく令和5年分の政党交付金として、合計3億3443万円が、令和5年4月分、7月分、10月分、12月分の4回に分けて、8360万7500円宛支給された。
以下振込先記載
①4月分・8360万7500円
全額が、令和5年4月20日付けで、総務省から、りそな銀行破産者名義口座に振り込まれた。
②7月分・8360万7500円
債権者による差押・仮差押がなされたため、総務省が全額供託した。
うち8047万0838円について、差押・仮差押が1件を除き取り下げられたことにより、令和5年11月6日付けで、法務局から豊田賢治弁護士の預り金口座に振り込まれた。
③10月分・8360万7500円
全額が、令和5年10月20日、総務省から、りそな銀行破産者名義口座に振込まれた。
④12月分・8360万7500円
このうち7860万7500円が、令和5年12月20日、総務省から武蔵野銀行東京支店の破産者名義口座に振込まれた。
(なお500万円は、債権者による差し押さえがなされたため、総務省が供託)
2:①以上、令和5年分の政党交付金のうち、被告綾香が破産者の代表者として実際に管理していたのは、~1の合計である~合計1億5907万8338円である。
②ちなみに、豊田弁護士預り金口座に振込まれた上記8047万0838円については、被告綾香の指示で豊田弁護士が出金・支払い等を行っていたが、うち5000万円については、被告綾香の指示により、同年12月1日付けで、豊田弁護士が、被告綾香個人名義のセブン銀行の口座に振込んだ。
セブン銀行被告綾香名義口座への送金5000万円のうち3608万0908円は、令和5年12月29日付けで、武蔵野銀行破産者名義人口座に入金された。
3:また、前記第2の3において述べたとおり、被告宗則は、被告綾香のもとで、破産者の資金の移動に事実上関与していた。
3:令和6年2月26日、本件破産開始申立にかかる関係者の審尋がされている中、被告綾香は、破産者のウェブサイトにおいて党首生命を出し、その中で「破産者には政党交付金を原資とする約3億円の資産がある」旨名言し、それを前提に、債権者に対する返済の見通し等を説明していた。
上記の党首声明を前提とすれば、この時点(令和6年2月26日)において、被告綾香が管理していた武蔵野銀行破産者名義口座には、次のとおり、優に1億円を超える残高があってしかるべきであった。
(計算)
約3億円(上記党首声明の金額)-りそな銀行破産者名義口座に振込みされた政党交付金合計1億6720万円余≒1億3280万円
ところが、上記党首声明から約2週間しか経っていない本件破産手続開始決定(令和6年3月14日午後3時)の時点で、武蔵野銀行破産者名義口座の残高は4300万円余に過ぎなかった。
原告は、武蔵野銀行破産者名義口座の「存在」や「残高」について、本件破産手続開始決定後に、豊田弁護士より開示を受けたのであるが、その際、豊田弁護士は、「自分の予想よりも残高が少ないので、被告綾香に支出の内容を問合せ中である」という旨を述べ、同弁護士ですら残高の少なさに困惑していたものである。
4:武蔵野銀行破産者名義口座の残高が、前記党首声明から想定される額からしても極めて少ないという状況の下、原告は、武蔵野銀行破産者名義口座の入出金履歴を同行より取り寄せるなどして、被告綾香が管理していた前記合計1億5907万8338円に関し、資金の使途等の調査を進めていった。
被告綾香側は、資金使途等についての原告からの質問になかなか回答や情報開示等をしようとしなかった。
5:①~被告綾香の後援会に対してなされた2000万円の寄付は否認権行使請求訴訟にて、全部認容する判決が出された旨の記載~
②~①に平行して行われたアップルハウス、及び被告宗則の知人が経営する会社が絡んだ4150万円の損害賠償請求訴訟に関して和解が成立して、全額回収済である旨の記載~
第5不法行為
1:破産手続開始決定後の預金引き出し(被告綾香)
①本件破産手続き開始決定(令和6年3月14日午後3時)の直後、原告は破産者代理人である豊田弁護士に電話を入れ、破産者につき破産手続開始決定がされたことを告げた。
同弁護士から報告を受けた被告綾香は、直ちに、破産者のウェブサイトにおいて、本件破産開始決定の事実を公表するとともに、同決定を不服として速やかに抗告する旨を表明した
②一方で、被告綾香は、本件破産手続開始決定を受け、同日(令和6年3月14日)午後6時30分過ぎから同月18日にかけて、破産財団を構成する武蔵野銀行破産者名義口座から、次のとおり、合計291万1388円を引き出して消費し、もって、破産財団を毀損し、破産財団に同額の損害を与えたものである。
記
引き出した日と出金額
①令和6年3月14日(午後6時30分過ぎ)153万1805円
②令和6年3月15日34万6238円
③令和6年3月15日14万4155円
④令和6年3月15日60万0605円
⑤令和6年3月18日28万8585円
以上合計291万1388円
③上記②で述べた被告綾香の行為は不法行為に該当し、被告綾香には、原告に対する291万1388円の損害賠償義務が発生している(民法第709条)。
④なお、上記合計291万1388円について、原告が被告綾香に返金を求めたところ、同人は、本件破産手続開始決定が確定したら、破産財団に返金する旨を述べて応じなかったが、本件破産手続開始決定が確定した後も返金しない。
2:被告宗則に対する送金(被告綾香、被告宗則)
①令和5年11月以降、被告綾香が実際に管理していた破産者の資金から被告宗則やアップルハウスに対して多額の送金がなされていたのであるが、被告宗則に対する以下の①~④の合計544万円については、被告らは、原告に対し、弁護士費用である旨説明した。
①~④各日振込、合計544万円
②しなしながら、上記544万円のうち、合計133万2388円については、破産者が負担すべき事案についての弁護士費用であるかどうかは措くとして、弁護士費用に充てたことの一応の裏付け資料(法律事務所発行の領収書の写し)が被告らから提出されたものの、その余の410万7612円については、弁護士費用であることの裏付け資料は一切提出されていない。
③また、一応の裏付け資料(領収書写し)の提出があった上記合計133万2388円は、当該領収書写しによると、以下の①~③の弁護士費用とのことであるが、いずれも、破産者は、事件当時者にも領収書の宛先にもなっておらず、破産者が負担すべき費用ではないことは、一見して明らかである。
①~③大津綾香、宗則の損害賠償事件記載
すなわち、まず、上記①~③の訴訟は、被告宗則(①~③全て)、アップルハウス及び、被告綾香が当事者となっているもので、いずれも破産者は当事者となっていないところ、破産者が、被告らに代わって弁護士費用等を負担すべきものではないことはいうまでもない。
さらに、上記②の弁護士費用にいたっては、その支払いは、令和6年3月28日であるところ、本件破産手続開始決定よりも後にされたものであり、その点においても破産者が負担すべきものではないことは明らかである。
④さらにいえば、上記の通り、被告らが、裏付け資料として、破産手続き開始後に被告らが支払った弁護士費用の領収書をだしてきたことや、弁護士費用として説明している544万円のうち、その大部分(約4分の3)の410万7612円について、使途に関する資料が一切出てこないことからも分かるとおり、そもそも被告宗則に対する合計544万円の送金の使途が弁護士費用である旨の被告らの説明は単なる後付けであり、被告宗則に対する合計544万円の送金自体が、破産者の資金の不当な流出・移動であると解さざるを得ない。
⑤以上のとおり、被告らは、破産者の資金合計544万円を被告宗則の預金口座に送金して不当に流出させ、あるいは、原告に対し事実と異なる説明を行って破産財団への返金などを免れんとし、もって、破産者の財産を隠匿し、破産財団を毀損し、破産財団に同額(544万円)の損害を与えたものである。
かかる被告らの行為は不法行為(共同不法行為)に該当し、被告らにはそれぞれ原告に対する544万円の損害賠償義務が発生している(民法709条、719条)
3:被告宗則のための弁護士費用の支払(被告綾香、被告宗則)
①令和6年2月19日に「ベンゴシ イ」宛に36万2400円送金されていることが記載
②破産者が当事者となっていないので、弁護士費用を破産者の資金で賄うべきものではないのはいうまでもないということが記載
4:「現金」の不当な流出・隠匿・毀損等(被告綾香、被告宗則)
①(本件破産手続き開始申立がされた後である)令和6年1月23日から同年2月29日にかけて8回、合計740万円の現金を出金したことが記載
②740万円の使途について問い合わせたところ、令和6年6月6日になって、被告宗則が作成したという「小口現金精算書」が提出されたことが記載
()書きにて以下記載
ちなみに、甲15には7番~11番として、巨額の「小口現金」入出金に記載が唐突に挟み込まれている。これらの記載について、被告らは、アップルハウス、及び、被告宗則の知人が経営する会社が絡む資金移動である旨説明していた。日付の並び順がおかしく、日付順に正しく並べると11番の「清算金額」が捻出できないなど、辻褄が合わないのであるが、11番の「1650万円」に関しては、前出の4150万円請求訴訟により、原告において回収済である。
③破産手続開始時点の現金残高について
~小口現金についての疑問点を記載~
④裏付け資料を提出できない「精算金額」
ア:精算金額に関する421万9690円について、京に至るまで裏付け資料の提出が一切ない。
①~⑤に日付と使用用途が記載
領収書の信ぴょう性がないことが記載されている
※提出された領収書の中に、被告宗則に対する精算日とされる令和6年3月1日よりも後の日付の領収書等が9枚含まれていた
※破産手続き開始決定後の日付の領収書なども6枚含まれていた
上記、記載の上
精算日より後の日付、さらには本件破産手続き開始決定後の日付の領収書等が裏付け資料に混在している事実は、小口現金精算書の信ぴょう性がないこと、あるいは、本件破産手続開始決定後も、被告らが、破産者の現金を費消していたこと、そして、破産者の現金が実際には89万ン2478円よりも多かったことを如実に示すものに他ならない。
⑤以上で述べてきたところから明らかなとおり、被告らは破産者の資産を現金化したうえで不当に流出させ、破産財団に属する資金を原告に引き渡すことを拒絶し、あるいは、虚偽の説明を行って返金等を免れんとし、もって破産者の財産を隠匿し、破産財団を毀損したものであり、これにより、破産財団に、少なくとも下記①と②の合計516万9636円の損害を与えたものである。
(損害額)
①89万2478円(被告らの説明による現金残高)
②427万7158円(甲15のうち裏付け資料がない支出など)
5:事務所の不当な使用継続等(被告綾香)
①十全ビルを使用していた説明
②保証金相当額の財団組入れ、及び、本件事務所内の什器備品の買取等を速やかに行うように求めたが、被告綾香は、これを放置し、対応しようとせず、他方で、本件事務所を明け渡すこともせず、活動拠点として使用し続けている状況である旨の記載
※什器備品について、被告綾香側が、アップルハウスへの支払額と同額で破産財団から買い取った旨も記載
③保証金相当額(96万円)と主要な什器備品評価額相当額(103万4155円)の損害が出ている旨の記載
※主要な什器備品の記載が表にあり、(株)イメージマジックから買ったポロシャツ等が50万円以上で一番高いのが気になった。(※は書き写し者の感想)
6:不法行為まとめ
①被告綾香、被告宗則それぞれにつき(共同不法行為)
合計10,810,396円
②被告綾香につき
合計4,905,543円
第6偏頗弁済(破産法第162条第1項第1号ロ)
1:破産法の偏頗弁済の説明
2:被告綾香に対する偏頗行為
経費精算に関して追及
事務用品消耗品:197055円
タクシー代飲食代など:110098円
これら合計30万7153円返還の義務を負う旨の記載
3:被告宗則に対する偏頗行為
高速道路利用料未精算分:16万1640円
駐車場代等:1万8120円
これら合計17万9760円を返還する義務を負う旨の記載
第7破産裁判所の許可
東京地方裁判所民事第20部は、原告に対し、別添の訴え提起許可書のとおり、本訴訟提起について許可した。
第8結語
①被告らに対し、不法行為(共同不法行為)に基づく損害賠償請求権に基づき、それぞれ金1081万0396円及び遅延損害金の支払
②被告綾香に対し、合計521万2696円の支払い及び遅延損害金の支払
③被告宗則に対し、合計17万9760円の支払い及び遅延損害金の支払
をそれぞれ求めるものである。